田舎でリハビリ

訪問リハビリ・通所リハビリ運営のコツ・日頃心がけていること、今後のリハビリ業界の動向とそれに対する考察を、日々の経験から書き綴っています。田舎暮らしの良さも紹介していきます☆ 「田舎でリハビリの仕事なんてあるの?」と言われ、早数年。 最初こそ職場探しに難渋したものの、今では田舎こそリハビリ職が求められ、活躍出来る場所だと確信しています。 訪問リハビリ,デイケアで役立つ技術、これからの働き方を独自の視点から発信中⭐

タグ:回復期リハビリ

2018年秋公開予定の「栞」


理学療法士の経歴を持つ、榊原有佑監督の渾身の一作です。


今年の6月の時点でクランクアップしており、来年の秋公開と言うことで、リハビリ職の私としても大変待ち遠しいです。


そんな中、栞とは別に理学療法士が主演の映画、「嘘とホームラン(仮)」の制作が始まるそうです。


どんな映画なのか、調べてみると、
今回の映画の舞台は、「急性期を過ぎてから、一定期間入院し、1日2~3時間の集中的なリハビリを実施して、低下した能力を引き上げる」”回復期リハビリ”の病院にしました。疾患ごとに国から60日〜180日間とそれぞれリハビリ期間が決められてしまっていることで、退院までの決まった時間内でベテラン療法士と同じ成果を出せず、責任・プレッシャーを感じる、回復期リハビリ担当の新人理学療法士(Physical Therapist、略してPT)と、彼女を取り巻く人々を描くことにしました。



引用元:宇野愛海主演×佐藤快磨監督の回復期リハビリについての短編映画


内容から、新人理学療法士の日々の葛藤と経験を基に成長していく様子が見れそうですね。



また、撮影場所も本当の回復期リハビリ病棟とのこと。


回復期リハビリの病院から取材協力・脚本監修・現場監修の全面協力を得、3月7日に病院のリハビリ部長の他、リーダー2人、1年目・2年目の合計5人の理学療法士、作業療法士に取材できることになったので、普通だったら脚本が出来てから脚本を提出して役をオファーするものなのに、主演の宇野愛海さんにも取材に同席して頂き、「悔し泣きをしながら話す療法士さんの話を実際に聞き、退院までのリミットがある”回復期リハビリ“の療法士にのしかかるプレッシャーを肌で感じて頂き、今後の役作りに役立てて頂く」という普通の映画製作ではできない贅沢をすることができました。

                                        引用元:同上


回復期リハビリ病院の全面協力ってすごくないですか?!

しかも、きちんと現場に取材に行き、療法士の現状を知るという点が監督の真面目さと映画を作る段階での意気込みを感じます。


別記事にも書きましたが、療法士の視点からみるとどうしても、映画やドラマで出てくる療法士の存在に違和感があって、しっくり来なかったんですよね。



オレンジデイズなんてその代表ともいえる内容ですから。



オレンジデイズ DVD-BOX
妻夫木聡
メディアファクトリー
2004-09-03




それにしても、取材を受けた療法士の方が羨ましいですね!

自分の実体験が映画化されるなんて、最高じゃないですか?

そして、多くの実習中のリハビリ学生さんには是非とも観て欲しい。


実習中の悩みと映画の内容が必ずリンクして、「悩みながらでも、頑張れば良いんや(*^^*)」って気持ちにさせてくれるはずです。



最後に、監督のコメントがとても実直で、映画への意気込みが感じられるので引用します。
「回復期リハビリテーション病院を舞台に映画を撮る。このお話をいただいたとき、正直不安しかなかった。家族もみな至って健康、リハビリの経験すらない自分が、この映画を撮る意味。人生が一瞬で変わってしまった人たちに対して、部外者が踏み込んでいく傲慢さ。そして感動とかそういう言葉に流され、都合のいいことばかりを並べた、どこかで見たことのある映画を撮ってしまうこと。
それがなによりも怖かった。
(一部省略)
気を遣ってしまったことで言えなかった言葉がある。人生が懸かっているのに吐けなかった言葉がある。言葉は感情だ。
人はそうして捨てた感情を忘れていくんだろう。映画でならそうして捨てられたものたちを掬えるはずだ。先にあげた不安はずっと消えることはない。きっと。でもキャストスタッフ全員で話し合い、それらを真摯に誠実に拾い集めること。
それが自分にしか撮れない映画に繋がると信じている。


また、この映画はクラウドファンティングにて支援メンバーを募集しているとのこと。

支援募集終了まで残り5日(9月4日現在)とのことです。

支援者への特典もあるようですので、是非、下記のサイトを覗いてみてください☆


クラウドファンティングのMOTION GALLERY

またまた、回復期リハビリの医療施設外での訓練について考察してみたい。

下記の文章は中医協から発出された診療報酬改定の骨子より、算定要件の(4)を抜粋したものである。


(4) 実施にあたっては、訓練を行う場所への往復を含め、常時従事者が付添 い必要に応じて速やかに当該保険医療機関に連絡、搬送できる体制を確保 する等、安全性に十分配慮していること。 
                                   ※PDFファイル P189




この文章を読んでいて感じたのが、「緊急時の対応をしっかり行えるようにして下さいね。」というのは分かる。だが、そんな事は当たり前の事でさほど、重要な事ではない。

大事なのは、「訓練を行う場所」までの「移動手段」に関して明記されていない事だと思う。

またまた、田舎での話になるが、病院と自宅が車で片道20分程かかる場合、自宅での掃除や調理の訓練が必要となったとする。

じゃあ、家までの往復はどうやってすれば良いの?という疑問が出るはずである。

勿論、病院で所有している車や訪問リハビリ等で使用している車があれば、セラピストは容易に移動が出来る。

しかし、算定要件に患者と「移動も共にしないといけない」と記載されている事から、セラピストが運転する車に患者も同乗し、自宅の往復を行っても良いと解釈して良いのだろうか?


そうであって欲しい反面、万が一の事故が生じた場合、保険適応の有無や担当療法士の責任の有無等を考慮すると、セラピストが患者と医療施設外で訓練を行う手順や連絡先、責任の有無等についてガイドラインを作成しなければならないと思う。

患者本人や家族に対しても万が一の事故等が生じた場合を想定して、契約書や同意書の追加が必要かもしれない。


移動手段が多岐に渡る場合、安全面を考慮すると、病院周囲の移動訓練が主体となる可能性が高い事が否めない。

けれども、訪問リハビリを主に行っている自分としては折角、入院中から実生活に対する介入が出来るのだから、移動距離や時間の問題はあっても、自宅での訓練を主に行い、買い物や調理等を実施したり、退院後に通うサロンの見学やその道のりの耐久性の評価等を行ってもらいたいと切に願う。






                                 

 

前記事の続きになるが、回復期リハビリでの医療機関外でのリハビリが疾患別リハビリの対象になった事はチャンスだといえる。

今までの回復期リハビリでは実生活を想定し、仮想の生活を想定した訓練が主だったと思う。

熱心なセラピスト程、この「仮想ADL」に対して物足りなさというか、「実際の生活に本当に役立つ訓練が出来ているのか?」と疑問に感じていたはずだ。


病院でのリハビリではバリアフリー化された環境下でしかなく、実際の家とはどうしてもかけ離れている。


 その様な状況で患者や家族に対して在宅での注意点や気をつける事を指導しても、大半がその場では「はい、気をつけます。」というだろうが、実際に家に帰ると、全く役に立たず、再び転倒等を起こし、再入院となるのではないだろうか。

実際、退院後すぐに何らかのアクシデントが生じ、再入院になるケースは少なくない。

入院中はどんどん歩いていた人が、家に帰ると車いすで寝たきりになっていた。。。そんな話も事実としてある。


今回の改定における生活機能に焦点をあて、退院後すぐに実生活に溶け込める様に入院中よりしっかりと訓練を行いなさい。という意図が読み取れる。

農作業や特殊な環境が想定されているが、実際は在宅周辺での移動と近隣の外出先までの移動動作能力が主な対象範囲ではないだろうか?


回復期リハでのセラピストの役割や配置を意識するならば、是非とも多くの作業療法士が在宅に出向き、退院後の生活を想定した課題設定を行って欲しいと思う。

入院中から在宅生活を意識した訓練を行い、仮に目標が未達成だったとしても、介護保険での訪問リハビリに引き継げば良い話である。


まだまだ、思考錯誤の段階ではあると思うが、算定要件もさほど厳しく無いようなので、早期に実践できれば、他の回復期との差別化も図れると思う。

 

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