田舎でリハビリ

訪問リハビリ・通所リハビリ運営のコツ・日頃心がけていること、今後のリハビリ業界の動向とそれに対する考察を、日々の経験から書き綴っています。田舎暮らしの良さも紹介していきます☆ 「田舎でリハビリの仕事なんてあるの?」と言われ、早数年。 最初こそ職場探しに難渋したものの、今では田舎こそリハビリ職が求められ、活躍出来る場所だと確信しています。 訪問リハビリ,デイケアで役立つ技術、これからの働き方を独自の視点から発信中⭐

タグ:医療施設外での訓練



入院中の訓練がスムーズに行き、居宅に退院出来た患者(さん)がどの様なサービスを退院後に利用しているか意識した事はありますか?


法人内で通所リハビリや訪問リハビリを経営していない限り、退院までがリハビリのゴールだと思っている療法士も少なくないと思います。


けども、多くの患者(さん)が退院後も、生活を営む上でサービスを必要としていて、私達が自立レベルだと判断しても、介護保険のサービスを利用している人は少なくありません。


折角、入院中から移動動作訓練や居宅での動作確認、退院後の生活を想定して訓練や多職種共同でのカンファレンスを開いても、結局は入院中の暮らしと居宅での生活には差が生じてしまうのが要因といえます。


結果、多くの人が利用するサービスは担当のケアマネージャーの考えの影響も受け易いといえます。



担当のケアマネージャーが
「自立支援の為にリハビリが必要なので、居宅での動作指導を行って下さい」
と具体的に依頼がある事はまだ少ないのが現状です。
(地域ケア会議の浸透によって徐々に変わりつつはありますが…。)


入浴が難しい→通所介護での入浴サービス利用

食事の準備ができない→配食サービスもしくは訪問介護にて家事援助



上記の様に出来ない事を補完するもしくは援助するサービスの方が目的がはっきりしていて、サービスを提供する方も受ける方も相互に満足できるといえます。


ですが、入院中にリハビリにて再獲得した能力を十分に発揮できない為に、上記の介護保険の受け身型サービスを利用する(している)方もいるのが現実です。


その点に対して我々療法士は、意識を向けて、入院中より介護保険下でのサービスにリハビリを利用してもらえるように働きかけるべきだと強く感じています。


では、具体的にどうするか?入院中のリハビリには限界がある点を考慮して、


試行錯誤しながらも、医療施設外でのリハビリを取り入れ、実績を積む事ではないかと思います。


入院中から退院後の生活を見据えて訓練を行い、訓練の経過を実際の生活の場で実践する。


この繰り返しが、介護者やケアマネージャーに伝播し、受け身型サービスから自立支援型サービスにつながるのではないかと思います。


4月からの診療報酬改定を機に、入院中のリハビリに専念していた療法士が医療施設外での訓練が可能になった事を、チャンスととらえ、居宅での生活に目を向けていければ、必ず介護保険下でのサービスの在り方に変化をもたらすはずです。



 


 平成28年度診療報酬改定説明(医科)その4 (PDF)  P21参照


何度も医療施設外でのリハビリテーションの拡充に関して私見を述べてきた。


今回は告示された資料から厚生労働省が求めている訓練に対して、考察をしてみたい。



医療施設外の訓練は「移動手段の獲得」に重点を置いているという事実


算定要件の(3)において上記の移動手段の獲得が一番最初に挙げられており、他の➁復職の準備➂家事能力の獲得よりも条件が緩和であること


➁復職の準備➂家事能力の獲得に関しては医療施設外で行わなければいけない理由的なものが求められるが、➀移動手段の獲得に関しては記載が無い


➀移動手段の獲得に関する訓練はその他と比較し、訓練への導入が比較的容易


訓練場所までの移動時間は訓練に含まれない事から、特別な場所等を必要とする➁復職の準備➂家事能力の獲得に関する訓練は必要度は高くても、訓練として取り入れづらい

→療法士と患者だけでなく、家族や職場の人等の多方面への働きかけと協力が必要


➁復職の準備においては入院前に勤務していた職場で訓練を行う事が出来たとしても、それに至るまでの段取りや当日の流れ、今後の仕事内容に関する相談等を踏まえると一日3単位の訓練時間では難しい



ざっくりとだが、上記の事から医療施設外での訓練が恒常化するまでは多くの医療施設が➀移動手段の獲得に向けた取り組みに関して訓練を行うと思われる。


しかし、今回の資料にも記されているように社会復帰を指向したリハビリテーションを行う為には退院後の生活動作に焦点を充てるべきだといえる。


余暇活動や生きがいの創出、役割を担う活動等を退院後も早期に行える事は、退院後の抑うつ傾向や閉じこもりに陥る患者を軽減できるといえる。


今回の改定は試験的な要素を含む事を鑑みると積極的に医療施設外の訓練を取り入れ、個別の事例から抽出される課題を次期改定には反映されるように意識して取り組めればと思う。





 

またまた、回復期リハビリの医療施設外での訓練について考察してみたい。

下記の文章は中医協から発出された診療報酬改定の骨子より、算定要件の(4)を抜粋したものである。


(4) 実施にあたっては、訓練を行う場所への往復を含め、常時従事者が付添 い必要に応じて速やかに当該保険医療機関に連絡、搬送できる体制を確保 する等、安全性に十分配慮していること。 
                                   ※PDFファイル P189




この文章を読んでいて感じたのが、「緊急時の対応をしっかり行えるようにして下さいね。」というのは分かる。だが、そんな事は当たり前の事でさほど、重要な事ではない。

大事なのは、「訓練を行う場所」までの「移動手段」に関して明記されていない事だと思う。

またまた、田舎での話になるが、病院と自宅が車で片道20分程かかる場合、自宅での掃除や調理の訓練が必要となったとする。

じゃあ、家までの往復はどうやってすれば良いの?という疑問が出るはずである。

勿論、病院で所有している車や訪問リハビリ等で使用している車があれば、セラピストは容易に移動が出来る。

しかし、算定要件に患者と「移動も共にしないといけない」と記載されている事から、セラピストが運転する車に患者も同乗し、自宅の往復を行っても良いと解釈して良いのだろうか?


そうであって欲しい反面、万が一の事故が生じた場合、保険適応の有無や担当療法士の責任の有無等を考慮すると、セラピストが患者と医療施設外で訓練を行う手順や連絡先、責任の有無等についてガイドラインを作成しなければならないと思う。

患者本人や家族に対しても万が一の事故等が生じた場合を想定して、契約書や同意書の追加が必要かもしれない。


移動手段が多岐に渡る場合、安全面を考慮すると、病院周囲の移動訓練が主体となる可能性が高い事が否めない。

けれども、訪問リハビリを主に行っている自分としては折角、入院中から実生活に対する介入が出来るのだから、移動距離や時間の問題はあっても、自宅での訓練を主に行い、買い物や調理等を実施したり、退院後に通うサロンの見学やその道のりの耐久性の評価等を行ってもらいたいと切に願う。






                                 

 

前記事の続きになるが、回復期リハビリでの医療機関外でのリハビリが疾患別リハビリの対象になった事はチャンスだといえる。

今までの回復期リハビリでは実生活を想定し、仮想の生活を想定した訓練が主だったと思う。

熱心なセラピスト程、この「仮想ADL」に対して物足りなさというか、「実際の生活に本当に役立つ訓練が出来ているのか?」と疑問に感じていたはずだ。


病院でのリハビリではバリアフリー化された環境下でしかなく、実際の家とはどうしてもかけ離れている。


 その様な状況で患者や家族に対して在宅での注意点や気をつける事を指導しても、大半がその場では「はい、気をつけます。」というだろうが、実際に家に帰ると、全く役に立たず、再び転倒等を起こし、再入院となるのではないだろうか。

実際、退院後すぐに何らかのアクシデントが生じ、再入院になるケースは少なくない。

入院中はどんどん歩いていた人が、家に帰ると車いすで寝たきりになっていた。。。そんな話も事実としてある。


今回の改定における生活機能に焦点をあて、退院後すぐに実生活に溶け込める様に入院中よりしっかりと訓練を行いなさい。という意図が読み取れる。

農作業や特殊な環境が想定されているが、実際は在宅周辺での移動と近隣の外出先までの移動動作能力が主な対象範囲ではないだろうか?


回復期リハでのセラピストの役割や配置を意識するならば、是非とも多くの作業療法士が在宅に出向き、退院後の生活を想定した課題設定を行って欲しいと思う。

入院中から在宅生活を意識した訓練を行い、仮に目標が未達成だったとしても、介護保険での訪問リハビリに引き継げば良い話である。


まだまだ、思考錯誤の段階ではあると思うが、算定要件もさほど厳しく無いようなので、早期に実践できれば、他の回復期との差別化も図れると思う。

 

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