リハビリの対象となる疾患で多いのが、脳血管障害ですが、その中でも、重度のプッシャー症候群を呈する利用者への訪問リハビリで意識すべきことをあげたいと思います。

1.訪問リハビリではどのような事を意識して行うのか?

ケアプランによって、介護者の想いや介護状況などが反映された内容になっているので、限られた時間内でどの様な点に改善が図れるか等、優先順位を介護者とともに検討します。


その手段として具体的な目標設定ができる生活行為向上マネジメントシートは有効ですが、在宅での一連の様子を確認し、評価した上で、具体的な訓練内容とその効果を提案することが必要といえます。


特に重度のプッシャー症候群の場合、ベッドで臥床していても、常に姿勢が定まらず、困難を強いられているわけですから、利用者の代弁者となるべきだと思っています。


なので、

ベッドで横になっていても、体が休まるわけではない。

変化が内容でも、良い刺激は脳と身体に直接伝わっている。



ということを介護者と共有するようにしています。


特に、介護者の方が声を掛けたり、手や足を擦ることは皮膚刺激となって、脳への刺激になっていることや支持面が広く、密着していることが安心感にもつながることを伝えるのが大事ですね。

そして、バランスが取れないのではんく、取ろうと意識していても分かりづらいということを理解してもらうことも重要です。

体に触れるものからの刺激と視野から入る刺激によって、自身の体の位置を修正していることを前提にすると、物が多すぎても駄目ですし、少なすぎでも混乱します。

なので、視線が向きやすい方のサイドレールにタオルをかけて目印をつくったり、枕も頭との隙間が少なくなるようにします。

目が常に開いて凝視している場合は、優しく視界を遮り、枕ごと頭を左右に揺らしてあげるのも良いですね。(負担がない程度に)


これらの事が少しずつ、介護者の方が体感し、理解ができると、車椅子に座った場合はどうするか?

おむつ交換の時にはどうすると良いか?を意識し、修正できるようになります。


その時に一緒に介護方法を考えたり、助言できることが大切だといえます。

よければ、下記の内容も読んでもらえれば嬉しいです(^o^)

2.訪問リハビリで重度のプッシャー症候群を呈する利用者は多いのか?(田舎リハビリの場合)


まず、脳血管障害による片麻痺を呈する利用者の方は比較的多いといえます。

ですが、 私の経験上では重度のプッシャー症候群の利用者はほとんどいませんでした。


症状が重度になるほど、リハビリや看護よりも、介護重視となる傾向が強いためといえます。

特に在宅で介護をされる場合は、通所リハビリを利用されるケースが多く、補足的に訪問介護や通所介護を利用されるケースを利用されています。


それだけ、重度のプッシャー症候群ほど、機能的な回復が難しく、介護の量が多いのかもしれません。


3.重度のプッシャー症候群だと何故、介護の量が増えるのか?

主な特徴として半側空間無視を呈する

左片麻痺に多い

非麻痺側への体重移動が難しい

どの機能も日常生活を行う上で必要な機能なのに対し、姿勢を制御する脳機能が損傷される為、より一層介護は難しくなります。


その他にも、失語症状や失行症状等も重なると、介護者にとっての心理的な負担も増えるといえます。


4.実際にはどの様に介護が行われるか?


急性期を過ぎ、状態が安定し、回復期リハビリ等を経由して、在宅復帰されるケースがあります。

ただ、回復期を過ぎても端座位保持が困難であったり、移乗動作時の体重移動が難しい方は、

オムツの使用

電動ベッド

リクライニング式車椅子

を使用した状態での復帰が多いといえます。


中でも、おむつ交換等の清潔保持・離床動作への促進に介護が必要となり、重点的に行われます。


離床促進に関しては、入院中に利用者の方の状態に合わせた車椅子を作成するケースもありますが、介護保険への移行に伴って、レンタルの流れとなるケースが大半です。


5.入院中に行われるリハビリはどういったものか?



急性期であれば、血圧変動を考慮した、抗重力姿勢の時間延長や端座位・立位訓練などが行われ、理学・作業・言語聴覚士がそれぞれにリハビリを行う場合が多いといえます。


急性期から回復期にかけて、病状の安定化とともに、残存機能の向上が主だといえます。


6.退院後のリハビリはどういったものか?


通所リハビリもしくは訪問リハビリでのリハビリが退院後では多いといえますが、通所リハビリでは車椅子乗車時間の延長や一日の生活リズムの順応が主な役割といえます。

訪問リハビリでは、残存機能の向上並びに介護者の負担軽減に向けた取り組みが主な役割といえます。


安定した座位保持・立ち上がりが難しい重度のプッシャー症状を呈する利用者には、トランスファーボードの利用や麻痺側方向からの移乗方法の指導を行いますが、ある程度の練習が必要であり、介護者の状態(年齢や体調・理解力等)を考慮しないといけません。



その他、おむつ交換時の体位や衣服の着脱のポイント等指導内容は多く、優先順位をつけて取り組む必要があります。