以前にも通所リハビリと訪問リハビリの併用に関しての記事を書きましたが、多くの方に読んでもらっています。


私の地域でも以前よりは、通所リハビリと訪問リハビリの併用に関して一概に併用を禁止する様な話は無くなりました。


ただし、「通所リハビリとは異なる訪問リハビリの目標を設定して下さい」とは言われます。


地域によってはまだ、併用することに懸念を示す所ももあるようですが、しっかりと理論武装を行い、訪問リハビリならではの戦略をまとめ、周囲にアピールしていく必要があります。


そんな中、先日届いた、日本訪問リハビリテーション協会 機関誌の特集にて訪問リハビリの権威ともいえる野尻 晋一 理学療法士 (訪問リハビリテーションセンター 清雅苑)にて通所リハビリと訪問リハビリの併用に関する考えが述べられていました。


図説訪問リハビリテーション [ 清雅苑 ]
図説訪問リハビリテーション [ 清雅苑 ]







下記に私の解釈を交え、野尻氏の展望を考察したいと思います。



平成27年度介護報酬改定により、通所系スタッフが訪問する機会が増えた



通所リハ・訪問リハビリに関してはリハビリマネジメント加算が強化された事により、算定要件を満たす為にも居宅での指導や居宅サービスを提供する事業所との連携が強化され、


通所介護においても、(地域ケア会議等の助言によって、)居宅訪問を積極的に行うようになったとの事です。


今後も通所系サービスの居宅訪問の機会は増え、現行の制度よりも居宅にて行える支援の内容は拡大していくのではないでしょうか?


短期集中の訪問リハビリは通所リハビリの訪問機能によって代用出来るという考え



退院・退所直後の訪問リハビリによる役割は、早期の在宅生活への適応化が課題が挙げられます。しかし、通所リハビリの訪問指導によって、自宅での動作確認やヘルパーへの指導等であれば行えるという考えがされ始めたとの事でした。


結果、訪問リハビリと通所リハビリの併用がされていたケアプランが通所リハのみになるケースがでてきた


確かに通所リハによって、定期的に居宅での指導や助言が行われれば、状態確認等や家族指導等の目的で行われていた訪問リハビリの必要度は下がるのかもしれません。


しかし、現行では通所リハビリのセラピストの人員不足や業務の多忙さが問題視されます。



通所リハビリと訪問リハビリを一体的に提供されることが望ましい理由



通所リハビリの訪問指導はあくまで指導で


法律上、練習は出来ない。


練習が日常生活に定着するように、訪問リハビリとの併用は有益であるといえる。



通所リハビリの指導では足りない事、訓練として訪問リハビリでしか行えない事を明確にする必要があるとの事

→地域の行事に参加する為の屋外移動訓練、生活環境に沿った動作指導訓練等


対象も軽度者よりも中重度者への介入を一体的に行い、心身機能・生活行為の向上を図る必要があり、


訪問リハビリて通所サービスに繋がりにくい閉じこもりのケースに介入し、通所リハビリとの併用により、社会参加を広めていく等が必要との事でした。


やはり、退院初期等、心身状態や家族の介護負担を考慮すると、訪問リハビリにて環境調整や機能向上を図り、徐々に通所リハビリのみにつなげる事が重要だと思われます。

通所と訪問リハビリを併用する事の効果と状況に応じてどちらかのサービスを卒業するという事をケアマネや介護者に理解してもらう努力も必要といえます。




まとめ


野尻氏の考えでは通所リハビリと訪問リハビリを一体的に提供する事は意味があり、必要な事と言われています。


ただし、それぞれの特性を活かし、課題と目標を見出すこと。を前提にされているように思います。


今後も通所リハビリと訪問リハビリを併用し、一体的に提供する為には、通所リハビリの訪問指導では、解決できない点を訪問リハビリの訓練にて解決する。

また、通所リハビリでは対応が難しい課題に対して、訪問リハビリで解決し、再度、通所リハビリの利用に繋げる方法も考えないといけないといえます。


特に通所リハビリだけでなく、訪問リハビリが介入することで効果があるという事例や実績をまとめ、周知していく努力が必要なのかもしれません。


最後に


通所リハビリと訪問リハビリの併用に関して効果が見られたとして、下記の研究にて実証されています。

リハビリテーションの提供形態の違いが、 利用者・主介護者の日常生活動作と生活の質 に及ぼす影響に関する研究(PDF)



それぞれのサービスの長所を活かし、介入する事が研究によって、証明されている事、私達自身の経験から得られた効果を、周囲に知らせる努力を今後も継続する必要があるといえます。



日本訪問リハビリテーション協会の活動は訪問リハビリを行う上で重要な指針を提供してくれます。



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