先日、通所リハビリにて役割の再獲得を目的に男性の利用者に対し、調理訓練を提案した。

筋トレやエルゴ等の運動メインのプログラムは率先してこなされるけども、

「家ではする事が無い。何も出来なくて役に立たない。」と繰り返し話されていたのがずっと気になっていた。


興味関心チェックリストにて趣味や関心のある内容について聞き取りを行うも「どれもありゃしません。」と少々投げやりな感じ。


奥さんに相談すると、「調理師の免許を持っていて、良く魚を捌いたり、調理をしてくれていた。でも今は立って何かをするのがしんどいみたい。」との事。


これはチャンスと思い、早速、通所の援助計画を見直し、調理について考えてみた。



露骨に調理の話をすると、出来ない理由がイメージとして定着しているので、さりげなく、料理の話題を振る



少しずつ話しの中で調理に対するアドバイスや昔の仕事の話へとつながり、調理に対する希望が聞けるようになった。


満を持して、調理訓練を行う計画を立て、魚を捌いて刺し身を作って頂きたいと話す。


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すると、「そないいうなら、やってみましょか。」との事。



次回の通所リハビリ利用時に実施する旨を約束し、準備万端で当日を迎えた。


その日の朝、通所リハに来所された時から表情が険しい。


表情から何か気に入らない事があったのか(・・?を逡巡していると、


開口一番、


「今日は無理や。やっぱり、長い時間立つ自信が無い。」とのこと。

言葉ではどんなに大丈夫な事を伝えても、聞き入れられないと思ったので、スタッフが調理するので、捌き方を指導して欲しい。」と依頼。


話を聞いている最中も険しかった表情が徐々に緩み、「教えるんやったら出来そうやな」との事。



早速、刺し身包丁やまな板、新鮮な魚を準備し、はじめようとすると、


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「この包丁は切れ味が悪そうやなぁ。(厨房から)包丁研ぐから、砥石(とぎいし)借りてきて。」


いわれるがままに厨房から包丁を研ぐ石と布巾等を準備。


またたく間に2本の包丁を手際よく研ぐ。


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立位+中腰での姿勢はまさに職人☆Σ(゚∀゚ノ)ノキャー




研ぎ終わった包丁を丹念に洗い、布巾で拭いたあとは、準備した魚をあっという間に、捌き、刺身用の皿に盛りつけて下さった。



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皆で刺し身を試食し、手際の良さに賞賛の嵐。


ここまでで、計画の半分は達成。



あとは今回の体験を機に、居宅での調理が役割として定着するかが課題とスタッフで話し合う。



次回は漬け物作りに挑戦予定。


その為に、近隣のスーパーに材料を買いに行く所から行う。


趣味的活動を通して生活圏の拡大が図れればと思う事例でした。