先日、要介護4の半寝たきりの利用者さんの担当者会議がありました。
その方は、大柄で協力動作が得られない認知症の方でした。
認知症の悪化とともに、介護への抵抗は増え、ベッド上での生活が主体となっておられました。
週2回の訪問リハビリにて、身体機能への関わり(可動域訓練等)の他、リクライニング車椅子の調整、ベッドから車椅子への移乗解除等を主に行っていました。
中でも、1日に20分×2回の訪問を行い、午前(10時頃)・午後(15時頃)に訪問し、車椅子⇔ベッドへの移乗が主な内容でした。
車椅子⇔ベッド間の移乗は大柄で抵抗がある場合は、声掛けや誘導方法に注意が必要なんですよね。
介護者の奥様は小柄で腰椎の圧迫骨折もあり、移乗介助は難しい点からも、ゆくゆくは訪問介護でのフォローにつなげて行くつもりで考えていました。
ここまでは、移乗動作は介助者が主となり、移乗する方法で考えていましたが、担当者会議でのアドバイザー(理学療法士)の意見では、
人の介助で行う移乗支援は限界がある。ご本人や介護者の負担軽減の為には、リフトの利用が必須
とのこと。
この意見を聞くまで、リフトの事について全くと言っていいほど、考えていなかったので、正直、悩みました。
というのも、実際に今までの訪問リハビリでリフトを使用している人や実際に導入を勧めた経験がなかったんです。
なので、早速、家庭用のリフトについてネットで調べてみました。
株式会社 モリトー
製品のラインナップも豊富で、私でも調べていくうちに聞いたことがある名前だったことを思い出しました。

画像引用元:http://www.moritoh.co.jp/products/tsurube-b/
ベッドに近い位置で固定できるツルベーは有名ですね。
動画でもわかり易く使い方を紹介されています。
これだけ見ると、「すごい簡単に操作できそう!」と思ってしまいますね。
色々と調べるうちに、リフトを試しに使ってみる気持ちが湧いてきました。
早速、ケアマネさんと福祉用具業者さんとリフトについて相談。
介護者であるご家族も「試してみたい」とのことなので、後日、デモ機を準備していただき、試してみました。
写真が無いのが残念ですが、結果として保留となりました。
リフトの使い勝手やスペースの確保、予算などは良かったのですが、御本人の理解が得られず、「使ってほしくない」との事。
リフトの見た目や大人数がいる中での実演はご本人の、心理的な抵抗感を強めてしまいました。
ただ、今回の経験から、リフトは移乗に難渋するケースに有効に使えるものだということが分かり、在宅での生活を長く安楽に支援する為にも、重要といえます。
あとは、私達、療法士が率先して、リフトに触れ、使い方や有効性を知り、抵抗感無く、利用できるようにしていく必要があるとも感じました。
セッティングや準備に手間かかるので、気を使いますが、顔なじみの福祉用具業者さんなどは、デモ機を準備して下さるようなので、日頃の関係づくりも大事かもしれません(笑)
公益財団法人テクノエイド協会では、リフトリーダー養成研修なども行っているようです。
リフトリーダー養成研修情報
受講料はおおよそ15,000円程度のもよう。
「結構かかるんやなぁっ」てのが本音ですが、今後の為の自己投資としては妥当ですかね。
現場で役立つ知識なので、勤務先に費用面での補助について相談をしてみるのもありです☆
過去の参考記事:サービス提供体制強化加算を給料アップに結びつける☆
また、以前テレビでも話題になったノーリフトの考えにも通じるリフトなので、今後は国の施策としても普及していくかもしれません。
過去の参考記事:持ち上げない介護(ノーリフト)とは?訪問リハビリや通所リハでの浸透も期待したい☆
次回はリフト導入の成功事例をブログに書けるように頑張ります(^o^)
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