7月5日に介護給付費分科会で議論された、「訪問看護」が話題になっていますね。
私のように診療所からの訪問リハビリを行っている側としては、関係が無いように思われますが、訪問看護ステーションからの理学療法士等による訪問看護に制約ができると困るんですよね。
本来であれば、訪問看護ステーションに理学療法士等が増えて、事業者数もサービス受給者数も増えてくれば、それだけ、社会が「訪問リハビリ」を望んていると解釈されるべきだと思うんです。
訪問看護ステーションに勤務する療法士のほとんどが、訪問看護の一環としてサービスを提供したいとは思っていないはずなんですよ。
けども、制度上、療法士が訪問リハビリを行うには、私のように病院や診療所等(老健も含む)に所属するか、訪問看護ステーションに所属しないと、保険請求できない。
だから、訪問看護の名のもとで、サービスを提供するわけです。
本来であれば、訪問リハビリステーションを創設する話になるべきなんですよ!!!
その話がないまま、訪問看護ステーションに療法士ばかり増えているのは良くない。
看護師のアセスメント無しで訪問リハビリを提供するのは問題だ。
と議論するのは、変ですよね。
まずは、訪問看護ステーションからの理学療法士等による訪問が増えていることで、どの様な費用対効果が出ているのかを話し合うべきだと思うんです。
軽度介護者に訪問リハを行うことで、サービス抑制につながっているかもしれないわけですから。
今回の資料をみて、素直に「訪問看護からの理学療法士等の訪問リハは抑制されるべきだわ」と考える、療法士はいないと思いますが、訪問の現場に携わる療法士は声を出していきたいですよね。
ここからは私の想像ですが、
また、今回の話し合いを先読みすると、今後、病院や診療所の訪問リハビリは更に増えると思います。
そうなると、訪問看護ステーションを運営している療法士等は近隣の地域密着型の診療所等と連携をしていくと思います。
儲かっている訪問看護ステーションほど、療法士をたくさん雇っていると思うので、次の改定が死活問題となりますからね。
そして、診療所の方も訪問看護と訪問リハビリを積極的に行う所ほど、評価されるのではないでしょうか?
医療と介護の連携の観点からも医師の介入は必要不可欠ですし、医師が身近にいることはやはり大きいです。
また、訪問看護からの訪問リハビリが行き詰まった場合、次はどこに転職するべきか?
これも、選択肢の一つとして考えておく必要があります。
私のオススメは断然、田舎での訪問リハビリの開設です(笑)
都市部はわかりませんが、田舎の訪問リハビリは、訪問看護からがほとんどです。
診療所の訪問リハビリは皆無と言っていいほど、ありません。
何故だか分かります?
診療所等の医師はリハビリ職と接したことが無いので、自身の診療所で訪問リハビリを開設できる事などを知らないんですよね。
そういう話を持ってくる人材もいないですしね。
そこで、都会から来たあなた(療法士)が次期、同時改定の資料をもとに、今後の診療所等の訪問リハビリの必要性と潜在的な需要の多さを呈示し、地域の中核となる診療所の手助けを行える旨を、プレゼンするべきです。
ある程度の収益性が見込めると分かれば、冷たくはされません。
もしくは、軌道にのるまで何かしらの足かせはあるかもしれませんが、1年も経てば、再交渉できるはずです。
是非とも、訪問看護ステーションで頑張っている療法士の方には、今回の分科会での議論をマイナスに捉えずに、したたかに将来への道筋を準備する動機づけになればと思います。
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