診療報酬改定 答申  にて算定要件の(3) について考えてみたいと思う。


以下の訓練のいずれかであること。

移動の手段の獲得を目的として、道路の横断、エレベーター、エスカ レーターの利用、券売機、改札機の利用、バス、電車、乗用車等への乗 降、自動車の運転等、患者が実際に利用する移動手段を用いた訓練を行 うもの。


一番最初に「移動の手段の獲得」というフレーズが出てきた事からも、社会生活適応には移動の要素に関する訓練が不十分だと言う事を国は呈示している。

つまり、「バリアフリーで模擬的な訓練しか出来ない病院では不十分なので、退院後の生活に反映される訓練をしなさいよ。」と言われている訳である。

都市部に住んでいる。もしくは、働き盛りの患者であれば、公共交通機関の利用の可否は必要な事かもしれない。けれども、実際に病院から駅に向かい、券売機を通って、バスに乗り、再び、戻ってくる訓練を行う病院はどの程度あるのだろうか?逆にそれだけの能力を有する患者であれば、早期に退院しているはずだし、そもそもリハビリを必要とするのか?とも思う。

身体機能は高いけども、高次脳機能障害を呈している患者等が対象なのか・・・?

道路の横断位が一番多い訓練になりそうな気はする。


特殊な器具、設備を用いた作業(旋盤作業等)を行う職業への復職の 準備が必要な患者に対し、当該器具、設備等を用いた訓練であって当該 保険医療機関内で実施できないものを行うもの。


特殊な器具に農作業に必要なトラクター等も入っていた為、農作物を生産している患者には当てはまるかもしれない。

後は学校の先生や工場に勤務する働き盛りの患者を対象としているのか?

私の場合は田舎でリハビリをしているので、農作業に必要な器具の使い方等はある程度は指導が出来る。
草刈り機等も使用頻度が高いので、これらを訓練にて使えるようになると、男性患者のQOL向上は飛躍的に高まる事を経験しているので、需要はあると思う。

ただし、実際に➁に該当する患者というのはごくわずかで、復職を専門的に支援している病院のリハ科等でないと、中々、実践出来ないのではないだろうか?



家事能力の獲得が必要である患者に対し、店舗における日用品の買い 物、居宅における掃除、調理、洗濯等、実際の場面で家事を実施する訓 練(訓練室の設備ではなく居宅の設備を用いた訓練を必要とする特段の 理由がある場合に限る。)を行うもの。


順番としては一番最後に来ているが、私的にはこの➂に記載されている事柄が医療施設外で積極的に介入出来る訓練内容だと思う。

来年度の4月から要介護1・2の利用者も一部、家事サービスの利用が総合支援事業に移行する方向が指し示されているので、入院中より、退院後の家事動作に着目した介入を行う事は、リハビリに対する政策の観点からも非常に有益だと思う。



「(省略)特段の理由がある場合に限る。」という文面があるが、訓練室の設備が居宅の設備に勝る事は絶対に無い。何故なら、一人ひとりの利用者の好みや使い易さ、調理器具の配置は異なる訳で、個人の生活背景等に影響を受けている。

あくまで、訓練室の設備は最低限に過ぎない訳で、家じゃないと退院後の生活は見えてこない。


なので、特段の理由と言われても、対して気にせずに、主婦や独居の患者には積極的に外出して、家事動作の評価・介入を図るべきだといえる。



まとめると・・・

  1. 算定要件で呈示されている内容は例を挙げているだけで、実際の訓練では社会生活全般に対する取り組みであれば良い
  2. 特殊な環境下での訓練を行う場合は、リハスタッフもある程度の知識が必要。(農機具の使い方は特に☆)
  3. 算定しやすい家事に関連する事柄から始めると良い。徐々に買い物や家周辺の移動、近隣のサロンまで歩く等、患者の退院後の生活を想定した取り組みを行う。

 ※色の変更、強調は管理人にて行っています。